標本の偏りについて

サンプリングによる調査で有名な話に、1936年のアメリカ大統領選の予測調査の話があります。
リテラリー・ダイジェスト誌が200万~250万件の調査結果から、ランドン候補者の当選を予測したのに対して、 ギャラップ社は、1,000~3,000の調査結果から、ルーズベルト候補の当選を予測し的中させた、というものです。
ギャラップ社は、偏りのないよう属性分布を配慮して調査を実施したそうですが、 リテラリー・ダイジェスト誌は、自誌の潜在読者名簿を基に調査を行った為、上流階級層に偏ってしまい廃刊にまで なってしまったそうです。
ターミナル駅だけでアンケートを取っても、自宅兼店舗の自営業者や車や自転車での通勤・通学者はもれてしまいますし、 電話での調査も、夜中に電話はしないでしょうし、知らない番号からの電話は取らない人もいますので、 電話の掛け先を無作為に抽出したとしても、かなりの偏りが想像出来ます。

アンケートのとり方

アンケートのとり方からも偏りが出てきます。
ストライキについてAグループへの質問
”労働者の生活がよくなることは、結局は社会がよくなることにつながっているから、 多少の迷惑は感じても、がまんすべきだ”という意見がありますが、 あなたはこの意見に賛成ですか、それとも反対ですか。
ストライキについてBグループへの質問
”労働者が自分たちの要求を通すために、一般市民に迷惑をかけるのはよくない”という意見がありますが、 あなたはこの意見に賛成ですか、 それとも反対ですか。
Aグループ、Bグループとも回答は6択です。
回答Aグループ(317名)Bグループ(326名)
賛成25.6%49.4%
どちらかといえば賛成23.0%12.6%
どちらともいえない20.2%12.0%
どちらかといえば反対18.6%9.8%
反対12.3%15.3%
わからない・無回答0.3%0.9%
注)このアンケート事例は、朝倉書店 社会調査の基本 杉山明子著からの引用です。
Aグループの賛成は、ストライキを肯定しています。Bグループの賛成は、ストライキを否定しています。
Aグループの「ストライキ我慢」に反対をしているストライキ否定派は、どちらかといえば反対と反対で、30.9%なのに対して、 Bグループの「迷惑だからよくない」に賛成しているストライキ否定派は、賛成とどちらかといえば賛成で、62.0%にもなります。


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